動画編集をするクリエイターにとって、写真やイラスト、さらには動画といった素材を入手する場合、ストック素材サイトに頼るのも選択肢の1つですよね。
無料サイト、有料サイトなど様々ありますが、高品質で著作権や商用利用など問題をなるべく避けたいと考えると、有力な候補として挙がるのがAdobe StockとPIXTAではないでしょうか?
しかし一方で、この2つの有名なストック素材サイトのどちらを選んでよいのかわからなく、悩んでしまう方も少なくありません。
そこで今回は、Adobe StockとPIXTAをそれぞれ徹底比較し、強みや弱点を解説したいと思います。
業界大手のAdobe Stockと、日本国内に特化した素材で定評のあるPIXTAはどちらがクリエイターにとって優れた選択肢となるのでしょうか。
スペックや料金、メリット・デメリットなど多角的に比較検討します。
是非この記事を参考にしていただき、今後の編集作業の質を高める際に役立ててください。
Adobe StockとPIXTAのスペックを比較
まず最初に、Adobe StockとPIXTAのスペックについて表にしました。
それぞれ特徴や素材数などに差があるのが分かると思います。
サービス名 | Adobe Stock | PIXTA |
商用利用 | 可能 | 可能 |
クレジット表記 | 不要 | 不要※できるだけ表記 |
素材数 | 約3億点 | 約1億点 |
素材の種類 | 画像、ビデオ、音楽、3D、ベクター画像、テンプレート | 画像、ビデオ、音楽、ベクター画像 |
日本向けコンテンツ | やや多い | 多い |
海外クリエイター | 多い | 少ない |
上記の表を見ると、全体的に言えることとして、Adobe StockとPIXTAとでは素材に違いがあります。
Adobe Stockは全世界にサービスを提供しており、3億点以上の素材をそろえているのが特徴です。
海外の素材が多くあり、日本向けの素材も含めてバラエティに富んでいます。
それが点数の多さとなってPIXTAの約3倍もの量になっているのです。
一方、PIXTAも海外の素材はあるものの少な目と言わざるを得ません。
しかし、日本のユーザーをターゲットにしたもの、つまり日本人モデルの素材や日本の風景の写真、あるいは国内クリエイターを中心としたイラストで構成されています。
また、商用利用についてはAdobe StockとPIXTAともに可能ですが、Adobe Stockは契約内容によって3段階に分かれており、一方のPIXTAは可能な限り表記してほしいというスタンスです。
このことから、料金さえ払えば特に制約なく利用できるAdobe Stockの方が便利といえるでしょう。
素材の種類についてはAdobe Stockに軍配が上がります。
Adobe Stockは画像やイラスト、動画、音楽、さらには3Dモデルや同社の製品であるillustratorに対応したベクター画像、テンプレートなど豊富な種類の素材が用意されています。
PIXTAは、あくまで写真やイラストを中心に動画、音楽といった構成(ベクター画像もありますが、そこまで多くありません)です。
このように素材の種類の面ではAdobe Stockが圧倒しているといえるでしょう。
ポイント
・Adobe Stockは素材数が多い
・PIXTAは日本のユーザーをターゲットにした素材が多い
・両方とも商用利用できるがスタンスが違う
気になるAdobe StockとPIXTAの料金比較
次にAdobe StockとPIXTAとでそれぞれ料金の比較も行います。
結論を言うと、Adobe Stockの方がやや料金体系は複雑であり、PIXTAの方がシンプルでわかりやすい傾向です。
Adobe Stockの料金
まずは、Adobe Stockの料金や権限を表でまとめました。
Adobe Stockは基本的に月払いと年払いのサブスクリプションプランとクレジットを購入して、そのクレジットを消費することで素材を購入するその都度購入できるクレジットパックがあります。
それぞれどのようなものか見ていきましょう。
サブスクリプションプラン(月額)※いつでも解約可能
プラン名 | 月額料金 | 月間素材数 | 単価(画像/点) | 単価(ビデオ/点) | 素材種別 | 繰り越し上限 | その他特典 |
ライトプラン | 3,828円 | 3点 | 約1,276円 | 対象外 | 画像、テンプレ、オーディオ、ベクター | 36点 | 追加1点=1,298円 |
スタンダード | 9,328円 | 25点 or ビデオ3本 | 約373円 | 約2,985円 | 組み合わせ自由 | 150点 | プレミアム素材20%オフ |
プレミアム40 | 13,068円 | 40点 or ビデオ6本 | 約327円 | 約1,960円 | 組み合わせ自由 | 240点 | プレミアム素材20%オフ |
ハイボリューム | 32,978円 | 750点 or ビデオ25本 | 約44円 | 約1,319円 | 組み合わせ自由 | - | プレミアム素材20%オフ |
年間契約(月払い)プラン
プラン名 | 月額料金 | 月間素材数 | 単価(画像/点) | 単価(ビデオ/点) | 繰り越し上限 |
年間プラン10点 | 3,828円 | 10点 or ビデオ1本 | 約383円 | 約3,062円 | 120点 |
年間プラン25点 | 6,578円 | 25点 or ビデオ3本 | 約263円 | 約2,105円 | 150点 |
年間プラン40点 | 10,428円 | 40点 or ビデオ6本 | 約261円 | 約1,564円 | 240点 |
年間プラン750点 | 27,478円 | 750点 or ビデオ25本 | 約37円 | 約1,099円 | - |
※最初の30日間は解約料なし、すべてのプランでプレミアム素材20%オフ。
クレジットパック(買い切り型、6か月有効)
パック価格 | クレジット数 | 利用可能例 | 単価(通常画像) | 単価(HDビデオ) |
6,490円 | 5 | 画像5点 | 約1,298円 | - |
17,600円 | 16 | 画像16点 or ビデオ2本 | 約1,100円 | 約8クレジット/ビデオ |
39,600円 | 40 | 画像40点 or ビデオ5本 | 約990円 | 約8クレジット/ビデオ |
74,800円 | 80 | 画像80点 or ビデオ10本 | 約935円 | 約8クレジット/ビデオ |
132,000円 | 150 | 画像150点 or ビデオ18本 | 約880円 | 約8クレジット/ビデオ |
※クレジットでのみプレミアム画像(12〜50)、3D(2〜10クレジット)が購入可能。
このようによく言えば、きめ細かなプランや料金方式が用意されていますが、やや迷う面もあります。
ただ、サブスクリプションプランかクレジットパックかをあらかじめ決めておけば理解しやすいでしょう。
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PIXTAの料金
PIXTAはシンプルにサブスクリプションプラン(月々契約と年間契約)と単品購入のみになっています。
また、団体割引などお得なプランが用意されているのもポイントと言えます(会社単位で利用する場合は運営と交渉できる)。
サブスクリプションプラン(月額固定・画像ダウンロード定額)
▼ 年間契約(コスパ重視)※1年間契約、分割支払い可
プラン名 | 月額料金 | 年額 | 月間ダウンロード数 | 1点あたり単価 | 繰り越し枠上限 |
年間750点プラン | 35,970円 | 431,640円 | 750点 | 約103円 | 最大3,850点 |
年間350点プラン | 27,500円 | 330,000円 | 350点 | 約79円 | 最大1,100点 |
年間100点プラン | 不明 | - | 100点 | 約165円(※比較より逆算) | - |
▼ 月々契約(短期利用向け)※1ヶ月契約可
プラン名 | 月額料金 | 月間ダウンロード数 | 1点あたり単価 | 繰り越し枠上限 |
月々750点プラン | 69,300円 | 750点 | 約92円 | 最大3,850点 |
月々350点プラン | 39,600円 | 350点 | 約113円 | 最大1,100点 |
月々100点プラン | 不明 | 100点 | 約250円(※比較より逆算) | - |
単品購入(サイズごと)
サイズ | 単品価格 |
S(小) | 550円 |
M(中) | 1,980円 |
L(大) | 3,630円 |
XL(特大) | 5,500円 |
ベクター | 3,850円 |
Adobe Stockのようなクレジットなどの概念がないため、わかりやすく利用できます。
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メリット・デメリットから見たAdobe StockとPIXTAとの比較
素材サイトを選ぶ場合、素材数だけでなく、各サービスでどのようなメリットやデメリットがあるのかという視点が重要です。
Adobe StockとPIXTAはともに人気のある素材サイトですが、それぞれメリットやデメリットがあります。
この項目ではAdobe StockとPIXTAの長所と短所をそれぞれ比較して、どのような素材サイトなのかをご紹介しましょう。
メリットから見たAdobe StockとPIXTAの比較
まず、Adobe Stockのメリットは素材の種類の多さで、さらにそれらをサブスクプランで自由に利用できるということです。
また、Adobeの製品群との連携もスムーズで、Adobeのソフトウェアを動かしながら直接Adobe Stockの素材を入れることもできます。
シームレスに導入できるので、時短になるのもメリットです。
素材については海外のクリエイターの製作した素材も多いのでグローバルな表現をしやすい点も魅力として挙げられます。
サポートも海外サービスとしては、かなり充実しており、Chatだけでなく日本法人と電話で対応できるのも大きなポイントです。
一方、PIXTAは日本のサービスとして日本向けの素材に強みを持っている点が挙げられます。
日本人ユーザーが使いたいと思う素材にたどり着きやすい点もメリットです。
さらに、定額のプランもわかりやすく、どのプランを選べばいいのか、あるいは都度払いで購入したほうがいいのかといった判断がしやすいのも魅力と言えます。
また、安心補償サービスも用意されており、素材で何か問題があった場合もサポートを受けられる点は、他の素材にはない強みといえるでしょう。
メリット比較
・Adobe Stockは素材数が多くAdobeの製品群との連携がスムーズ
・PIXTAは日本向けの素材に強みがありプラン内容が分かりやすい
Adobe StockとPIXTA:デメリットで見た比較
デメリットで比較することでもAdobe StockとPIXTAの特徴が掴めます。
Adobe Stockのデメリットは、単品購入できないことです。
都度払いのプランはあるものの、まとまった金額のクレジットと呼ばれるポイントを購入しなければなりません。
一枚だけ欲しい場合はやや割高になってしまうケースもあるでしょう。
PIXTAはプランや単価が高めに設定されていることです。
Adobe StockとPIXTAとの価格設定を見ても、ややPIXTAの方が高い印象があります。
また、海外の素材がやや少ないため、グローバル向けのデザインを意識したコンテンツ作りには不向きな一面があることは否定できません。
このようにそれぞれのデメリットについても知っておきましょう。
デメリット比較
・Adobe Stockは単品購入できない
・PIXTAはプランや単価が高めに設定されている
Adobe StockとPIXTAはどちらがおすすめ?
Adobe StockとPIXTAでどちらか迷った場合、基本的にはAdobe Stockの方をおすすめします。
やはり多彩な素材を一つのプランで利用できるうえ、国内外のハイクオリティな素材がAdobeのツールへスムーズに導入できることが決め手だからです。
もちろんPIXTAは単品購入できることから少量の利用を考えている人におすすめできるため、必ずしもAdobe Stock一択というわけではありません。
また、PIXTAは日本人モデルや和風素材に強く、特定のジャンルをピンポイントで使いたいときに便利なので、用途に応じて使い分けるのが賢い選択です。
おすすめポイント
・多彩な高品質素材を扱いたいならAdobe Stock
・日本人モデルなど国内向け重視ならPIXTA
まとめ
今回は、有名ストック素材サイトのAdobe StockとPIXTAを比較しました。
その結果、個人の見解としては総合力ではAdobe Stockが有利と言えるでしょう。
それは、豊富な素材数と種類、Adobe製品との連携、使いやすさが魅力だからです。
Premiere Pro、IllustratorなどAdobe製品を使用している方は多いと思います。
Adobe Stockとの連携でメリットに感じるシチュエーションを享受できるはずです。
一方で、PIXTAは日本人モデルや和風素材に強く、特定ジャンルのピンポイント利用に最適です。
また、PIXTAはサブスクと単品購入を使い分けられるため、予算や用途が限られる場面では便利な選択肢となります。
どちらもメリットがあるため、素材サイトを利用する場合は、利用目的に応じて賢く選びましょう。