動画編集をしたいと考えている時、ネット検索するとよく目にするのはFilmora(フィモーラ)とPowerDirector(パワーディレクター)の2つではないでしょうか?
どちらもお手軽価格で購入できる上に、初心者には嬉しい動画編集ソフトの定番です。
確かにプロユースであればAdobe Premiere ProやFCPなどの選択肢もありますが、一般的な動画編集において両者は国内におけるベストな選択肢といっても過言ではありません。
しかし、利用するにあたってFilmoraと一方のPowerDirectorのどちらを選べば良いのでしょうか。
そこで今回は、FilmoraとPowerDirectorの違いについて価格面や機能で比較し、どのようなユーザーにそれぞれ向いているのかを解説します。
FilmoraとPowerDirectorのどちらを利用すれば良いか迷っている人にとって、きっと納得のいく答えが見つかるはずです。
これを読んで、最終的にあなたはどちらを選びますか?
FilmoraとPowerDirectorは性格の異なる動画編集ソフト
私が両方の動画編集ソフトを使ってみて感じたのは、FilmoraとPowerDirectorの2つのソフトは、性格の異なる動画編集ソフトといえるということです。
その理由は次の2点です。
相違点
- 共通点がほとんどない
- 使いやすさが違う
この2つの相違点についてまず解説していきます。
ちょっと言い換えれば、この比較を行い両者の違いをあきらかにすることで、どちらの動画編集ソフトが利用しやすいかおのずとわかるようになるはずです。
共通点がほとんどない
FilmoraとPowerDirectorの共通点は、対応しているOSが同じということだけです。
共に、WindowsとMacのどちらでも利用できるようになっています。
この点は両者とも共通している特徴なので、一般的なパソコンであればOSに支障なく利用できるのが特徴です。
また、FilmoraとPowerDirectorはともに無料体験版を用意しているので、こちらも共通点のように感じられます。
しかし、実際に無料体験版を利用してみるとFilmoraが全ての機能を無料体験で利用できるのに対し、PowerDirectorは一部機能が制限されているのです。
このように無料体験版ですら、違う点が存在しています。
ちなみにあたりまえですが、一般的な動画編集における素材を切り貼りしてBGMや効果音、テロップを付けるという基本的な作業部分は同じなので「共通点がほとんどないって間違ってるじゃん」っていうご指摘は控えてくださいね。
使いやすさが違う
両方使ってみると分かりやすいと思いますが、FilmoraとPowerDirectorでの操作感はかなり異なります。
Filmoraは動画編集を知らない人でも直感的に操作できる反面、PowerDirectorは、動画編集をしたことがある人にとってスムーズに操作できるという特徴があります。
このように使いやすさが動画編集技術の習熟度によって全く異なった印象を受けることは、両者の性格が異なる大きな点といえるでしょう。
ちなみに少し編集をかじったことがあったり色々なソフトを経験している方には、どちらも遜色なく、スムーズに操作できるはずです。
私は悩むことなく使い始めることができました。
FilmoraとPowerDirectorを比較
FilmoraとPowerDirectorが異なる動画編集ソフトであることを解説しました。
それを踏まえたうえで、次の点について両者を比較しましょう。
比較するポイント
- 運用コスト
- YouTube編集による操作感
- 動作の軽快さ
運用コスト
運用コストというと何かややこしいですが、簡単に言えば購入や使用にかかる金額ということです。
導入にあたりかかる運用コストは、FilmoraとPowerDirectorでかなり異なっており、比べてみるとFilmoraの方が安くなっています。
まず、パッケージの買い切り版で比較すると、Filmoraが永続ライセンスという名称で8,980円。
一方PowerDirectorは、永続版という名称でPowerDirector 2024 Ultraで参考価格12,980円、中間モデルのPowerDirector 2024 Ultimateが16,980円、オーディオ編集もできるPowerDirector 2024 Ultimate Suiteが参考価格20,980円に設定されています。
このように買い切り価格ではFilmoraの方が安価に入手可能です。
次にサブスクリプション版では、Filmoraが基本の1年間プランが9,979円、マルチプラット1年間プランで10,979円に設定されています。
片やPowerDirectorは、サブスク版はPowerDirector365の名称で提供されていて、12か月プランが8,980円、オーディオ編集もできるDirector Suite365が16,480円です。
サブスクリプション版では、基本プランでPowerDirectorに軍配が上がるものの、上級プランではFilmoraの方が安価に利用できます。
これらを見てみると、一部例外はあるものの、全体的な視点で見ればFilmoraの方が運用するコストは安いといえるでしょう。
購入タイプ | Filmora | PowerDirector |
買い切り版 | 8,980円 | 12,980円(Ultra) 16,980円(Ultimate) 20,980円(Ultimate Suite) |
サブスクリプション版 | 9,979円(1年間プラン) 10,979円(マルチプラット1年間プラン) | 8,980円(PowerDirector365 12ヶ月プラン) 16,480円(Director Suite365 12ヶ月プラン) |
YouTube編集による操作感
FilmoraやPowerDirectorを利用するにあたって、比較的利用する機会の多い用途がYouTubeの編集です。
というか、「YouTubeで収益化したい!」「TicTokで儲けたい!」という方も多いのではないでしょうか?
YouTubeの編集では、エフェクトやピクチャーインピクチャー、テキストの入力といったことを頻繁に利用しますよね。
なので、これらのシーンでの比較を行いましょう。
まずエフェクトは、Filmoraの場合にはテキストクレジット、トランジションをはじめ豊富な種類が用意されています。
おしゃれでポップなイメージのエフェクトが数多くあるように感じました。
一方PowerDirectorは、外部からエフェクトを入手するイメージであり、基本的な種類はそれほど多くありません。
また、取り揃えられているエフェクトのイメージは、ちょっと真面目で大人しい雰囲気だと個人的には感じました。
サブスクリプション版では定期的な追加があるものの、Filmoraの方が充実しています。
次にピクチャーインピクチャーでは、使いやすさでFilmora、詳細な設定でPowerDirectorといった点が違いです。
Filmoraでは最大で同時に10個の動画ワイプで挿入し、さらに画像を入れることもできるようになっています。
直感的に埋め込むような操作が可能で、フレームの種類も豊富です。
PowerDirectorは、詳細な設定ができることから自由度の高い設定ができます。
ただ、慣れないうちは操作が難しく感じられ、機能を覚えることが必要です。
最後にYouTube編集でよく使用するテキスト入力について比較しましょう。
こちらはモリサワフォントが利用できる分、PowerDirectorが優位です。
確かに機能面でいえば、両者ともほとんど互角といっても過言ではありません。
しかし、素材のフォントではPowerDirectorが高品質なモリサワフォントを利用できる分軍配が上がります。
以上のことからYouTube編集においては、こだわりの動画編集ができるPowerDirectorとライトな編集で進められるFilmoraといった比較になります。
YouTubeで使う機能 | Filmora | PowerDirector |
エフェクト | オリジナルが豊富 | 外部から入手 |
ワイプ機能(PIP) | ワイプ機能で最大で同時に10個の動画と画像を挿入できる | 慣れてないと難しい |
フォント | 基本的なフォントは使用できる | モリサワフォントが使用できる |
動作の軽快さ
FilmoraとPowerDirectorとでは、動作の軽快さが異なります。
Filmoraはシンプルな操作や機能によって低スペックな動画編集パソコンでも動画編集ソフトとしては軽快に動作するのが特徴です。
一方PowerDirectorは、機能や詳細な設定ができる反面、若干動作が重い傾向にあります。
カタログでは、Filmoraが最低8GBのRAM(HD または 4K動画の場合は、16GB以上が必要)、PowerDirectorが4GB 以上 (8GB 以上推奨)と一見PowerDirectorの方が軽快そうな印象です。
しかし、Filmoraの方が操作の簡単さも相まって軽快な動作が期待できます。
FilmoraとPowerDirectorがそれぞれ向いている人
結論を言ってしまえば、FilmoraとPowerDirectorでは、どちらが圧倒的に優れているというものではありません。
しいて言えば、向いている人が違うということだけです。
では、FilmoraとPowerDirectorに向いている人をそれぞれ紹介しましょう。
Filmoraが向いている人
Filmoraが向いている人は、気軽に動画編集をしたい初級者から中級者レベルの人です。
操作がわかりやすく、買い切りで購入すると比較的安価に利用できます。
また、動作条件さえクリアすれば比較的低スペックなパソコンでも動かせる点もポイントです。
身内向けのとりあえず動画を編集するのに使いたいという人や、YouTubeで収益化しお小遣いが稼げるレベルの動画を作りたいという人も向いているでしょう。
どちらかといえばライトな層に利用しやすい動画編集ソフトといえます。
PowerDirectorが向いている人
PowerDirectorは、自由な動画編集をしたい人、動画編集を少し勉強したい人に向いています。
カスタマイズ性に優れているのがPowerDirectorの特徴です。
そのため、充実した機能を自分のイメージした形にカスタマイズしたいという人に最適な環境といえます。
また、動画編集を学びたい人にとってもカスタマイズや設定が学べるので、上級者向けのプロユース製品にステップアップする際にも得られた技術が役立つのです。
もちろん、上級者レベルの利用でも十分対応できるので、満足のいく動画編集をかなえてくれるでしょう。
まとめ
FilmoraとPowerDirectorの特徴や機能などの比較を行い、おすすめの人についてそれぞれ紹介しました。
FilmoraとPowerDirectorでは、両者とも国内のベストセラー動画編集ソフトとして高い人気を誇っており、基本的な性能においては甲乙つけがたいものがあります。
しかし、最後に紹介した向いている人を参考に選ぶことで最適な選択が可能です。
今回紹介した特徴を知り、自分の目的に合った選択をしましょう。
そうすることできっと納得のいく動画編集環境を手に入れられるはずです。
あなたはどちらを選びましたか?
私が初心者なら、まずはFilmoraから始めると思います。
なぜなら取っつきやすいし、おしゃれなエフェクトが豊富だからです。