動画制作をするにあたって、ハイクオリティな動画素材はコンテンツの魅力を高め、訴求力にも影響を与えます。
そんな時に役立つのがAdobe Stock。
Adobe Stockでは商用利用ができる動画素材が豊富に用意され、プロの利用にも耐えられるような質の高さが特徴です。
しかし、Adobe Stockの素材はライセンスの取り扱いが契約内容によって異なるため、正しく理解しておかないと予想外のトラブルになることもあります。
そこで今回はAdobe Stockの動画素材を商用利用する場合に知っておきたいライセンスの基本や注意点について、動画制作を始めたばかりの初心者にも分かりやすく解説しましょう。
Adobe Stockの基本的な使い方を紹介
Adobe Stockの動画素材の商用利用やライセンスについて知る前に、基本的な使い方を紹介しましょう。
利用方法Adobe Stockは公式サイトから直接ダウンロードする方法やAdobeの製品(Premiere Pro CCやPhotoshop CCなど)であるCreative Cloudアプリケーション内にあるCCライブラリパネルからダウンロードする2つの方法があります。
なお、Adobe Stockでは購入が前提となっていますが透かしの入ったプレビューのコンテンツをダウンロードして仮のレイアウトに配置することも可能です。
公式サイトから素材を取得
Adobe Stockのサイトにアクセスして、アカウントを作成します。
次にアカウントを作成したら、サイトでログインを行って動画素材を検索しましょう。
動画素材が見つかったら、ライセンス取得ボタンをクリック。
すぐ購入とダウンロードができます。
アプリケーションから取得
Adobe製品に入っているCCライブラリパネルから直接Adobe Stock素材を検索・閲覧・配置も可能です。
パネルを起動し検索、気になった素材をその場でダウンロードして試しに配置できます(試用のプレビューコンテンツも同様に利用可)。
とてもスムーズにAdobe Stockの動画素材が利用できるのでおすすめです。
Adobe Stockを利用する際のライセンスの基本
Adobe Stockを利用するにあたって、いくつかのライセンスがあることを知っておきましょう。
ここでは、Adobe Stockに設定されている4つのライセンスについてそれぞれ解説します。
通常ライセンス:小規模な利用におすすめのライセンス
Adobe Stockの基本的なライセンスです。
動画素材の商用利用は可能なものの、転売を目的にすることは禁止され、WEBでの利用は50万回までの表示に限られています。
ただ、動画素材を自分で改変することは問題ないライセンスです。
強化ライセンス:制約が大幅に緩和されたライセンス
強化ライセンスは、通常ライセンスの利用範囲に加え、使用回数や閲覧者数に制限がなくなります。
広告やプロモーション、YouTubeなどの動画コンテンツを大規模に展開したい場合に便利です。
ただし、素材自体が購入目的となる製品(動画の切り抜き画像を使ったマグカップやポスターなど)への使用は引き続きできないライセンスになっています。
もちろん転売もできないライセンスです。
拡張ライセンス:ほとんど自由に利用できる
拡張ライセンスは、先ほど紹介した動画素材を使用した商品(動画素材の切り抜き画像を使ったTシャツ、ポスターなど)を販売することが可能なライセンスです。
さらに複製回数や閲覧者数にも制限がなく、商用利用の幅が広がります。
ちなみに素材をそのままの形で配布する行為は、他のライセンスと同様に認められていません。
そのため、拡張ライセンスを取得して自社の動画素材サイトで販売するといったことは不可能です。
限定ライセンス(Adobe Express):商用利用できない制約の大きなライセンス
限定ライセンスは、Adobe Express内で提供される特定素材に適用され、Expressアプリ内での使用やダウンロードが可能です。
ただし、素材を独立ファイルとして保存・配布したり、Express外の新プロジェクトで再利用することはできません。
販売を目的とした使用も制限されます。
これらのライセンスを理解しておきましょう。
ライセンスの種類
・通常ライセンス:基本的ライセンス、小規模な利用におすすめ
・強化ライセンス:制約が大幅に緩和されたライセンス
・拡張ライセンス:ほとんど自由に利用できるライセンス
・限定ライセンス:商用利用できない制約の大きなライセンス
知っておかないとトラブルに発展!Adobe Stockの注意点
Adobe Stockを安心して利用するうえにはライセンスの制限や注意点をきちんと理解しておくことがポイントです。
まず、動画素材自体を商品化(たとえば、素材DVDにして販売したり、自社の動画コンテンツサイトで配布したりするケース)して販売する場合には拡張ライセンスが必要です。
また、エディトリアル専用と記載された動画素材は報道目的に限定されており、広告など商用利用が一切できないので注意しましょう。
次にライセンス範囲を間違ってしまうことです。
たとえば、通常ライセンスでは大規模な利用が制限されることがあるため、Adobe Stockで取得した動画のワンシーンを自社の販促アイテムに使ったり、販売したりすることは禁止されています。
拡張ライセンスを取得していれば問題ないのですが、通常ライセンスでは商用利用に関して一部制約があることを知っておきましょう。
3つ目はAdobe Stockの動画素材における共有です。
あくまで自社や請負契約者(外部委託、アウトソーシング先のクリエイターなど)に限定されています。
そのため、クライアントや同業者との共有といったことは禁止されているので注意が必要です。
このようにAdobe Stockは商用利用可能でもライセンスごとの制約や利用者に制約があります。
それらの点を注意し、必要に応じて拡張ライセンスを取得しておくことがポイントです。
誤って利用してしまうと著作権侵害をはじめとする法的トラブルを招くリスクがあるため、十分にライセンスの注意点を理解しておきましょう。
注意点
・動画素材自体を商品化して販売する場合には拡張ライセンスが必要
・通常ライセンスでは商用利用に関して一部制約がある
・動画素材の共有は自社や請負契約者に限定される
筆者ならどう選ぶ?Adobe Stockのライセンス
ここまでライセンスについて解説しました。
一方、もし筆者ならどのようにライセンスを選ぶのかといった疑問についてお答えしましょう。
筆者がライセンス選びで重視している点として3つ挙げられます。
1つ目は基本的に動画をYouTubeなどのサイトにアップロードすることを考えた場合、拡張ライセンスを取得します。
なぜなら、再生数が増えてしまった場合は通常ライセンスを逸脱してしまう恐れがあるからです。
もちろん、身内向け、あるいは一部の業界に特化したサービス(いわゆる業務用のプロダクツなど)のプロモーション動画の場合は、そこまで再生数が伸びないため、通常ライセンスのものを利用します。
2つ目は報道向けのライセンスは使わないことを基本にしています。
報道向けのライセンス(限定ライセンス(Adobe Express))は、基本マスメディア専用のライセンスです。
そのため、個人利用や動画配信などの用途には向きません。
さらに利用制限が非常に厳しくなっているため、まず利用できないと考えています。
最後が予算を考えて選ぶということです。
Adobe Stockはハイクオリティな素材となっている分、フリーの動画素材に比べると大変質の高いものになっています。
そのため、コストもそこまで安いものではありません。
あらかじめ動画素材にかけられるコストを設定してから利用するようにしています。
以上の点を踏まえて利用しています。
筆者が選ぶポイント
1.動画をYouTubeなどのサイトにアップロードすることを考えると拡張ライセンス
2.基本的に報道向けのライセンスは使わない
3.予算を考えておく
Adobe Stockの気になる疑問
最後にAdobe Stockの動画素材利用についてよくある質問をQ&A形式でご紹介しましょう。
Q:Adobe Stockはそもそも商用利用できるの?
A:問題なく商用利用できます。
そのため動画を広告に利用したり、YouTubeなどのコンテンツで利用したリ、あるいは企業のプロモーション動画に利用できます。
ただし、素材を転売したり、ロゴとして利用したリ、あるいは商標登録してはいけません。
Q:購入した動画素材を複数のコンテンツに使っても大丈夫?
A:基本的に難しく注意点があります。
Adobe Stockでは原則1つの完成動画やコンテンツでの利用のみになっています。
別のコンテンツで同じ動画素材を使いたい場合は、追加で購入する必要があります。
Q:動画素材を改変しても大丈夫ですか?
A:ライセンス的に問題ありません。
Adobe Stockで取得した動画素材を編集して、自分のコンテンツに入れても大丈夫です。
取得したら自分のコンテンツ向けの内容に編集して導入しましょう。
Q:クレジットが余った場合どうなりますか?
A:クレジットの有効期限内であれば、追加で利用できます。
Adobe Stockのクレジットパックは有効期限が12か月に設定されており、その期限内であれば再度別の動画素材を購入可能です。
まとめ
Adobe Stockは動画素材をはじめとして様々なコンテンツが取得できる魅力的なサービスです。
一方で、ライセンスの出井や利用範囲について理解しておかないとトラブルに発展してしまうケースも見られます。
そのため、今回紹介したクレジットの有効期限や利用ルールを把握してきちんと活用すれば、初心者でもプロ顔負けの動画コンテンツを製作可能です。
商用利用やライセンスについて理解し、安心して魅力的な動画コンテンツを制作してみてください。
こちらもCHECK
-
初心者でも迷わない!Adobe Stockの魅力・料金・注意点を解説|動画編集を効率化!月額で使える高クオリティストック素材
デザインや動画編集を始めたばかりの方にとって、素材選びは、かなり手間取る原因になりますよね。 なかなかシチュエーションに合った素材はないし、かといって妥協はしたくない。
続きを見る