ソニーから完全ワイヤレスイヤホンWF-1000XM5が販売されます。
2021年に発売されたWF-1000XM4から、首を長くして待っていた方も多いのではないでしょうか?
WF-1000XM4は、発売当初の評判はかなり良く、その高音質とデザイン性など評価されてきました。
ただ、ノイズキャンセリング性能はややおとなしめ、そして耳からはみ出る少し大きい個体、さらに発売後1年余り経つと、バッテリーの不具合などが騒がれて、買いたいけど買えないと考えていた人もいたと思います。
そんな私もその1人。
他社製品に比べると比較的値段が抑えめで、購入意欲をそそるものでした。
でもバッテリーが片側だけ極端に減り速いなどの問題があがってから、買うのを控えていました。
新しく発売されるWF-1000XM5がこの問題を対処しているのかは分かりませんが、全体の期待値は高まっています。
特にYouTuberさん達がこぞって絶賛しているので、否応なしに期待してしまうのは仕方ありません。
今回は、前モデルWF-1000XM4を比較しながら、WF-1000XM5の特徴を紹介します。
ノイズキャンセリング性能
出典:SONY
WF-1000XM5とWF-1000XM4のノイズキャンセリング性能の違いは、統合プロセッサーのバージョンにあります。
WF-1000XM5は、新たに統合プロセッサーV2を搭載しているのに対し、前モデルのWF-1000XM4は統合プロセッサーV1を使用しています。
統合プロセッサーV2によるリアルタイムノイキャン最適化処理により、WF-1000XM5は環境に合わせてノイズキャンセリング性能を効果的にコントロールすることが可能です。つまり、電車の中、飛行機の搭乗時、街の雑踏音など、周囲の騒音に応じて適切なノイズキャンセリングを自動的に行うことができます。これにより、ユーザーは常に最適なノイズキャンセリング効果を享受できます。
一方、WF-1000XM4は統合プロセッサーV1を使用しているため、環境に応じた最適化は可能ですが、V2に比べて効果的かつ精密にノイズキャンセリングを制御することはできません。V2は新たなアルゴリズムや高度な処理能力を持っており、より細かい騒音のパターンを把握し、より高度なノイズキャンセリングを実現することができます。
したがって、WF-1000XM5の統合プロセッサーV2によるリアルタイムノイキャン最適化処理により、より洗練されたノイズキャンセリング性能が実現されていると思われます。
WF-1000XM4も高いノイズキャンセリング性能を持っていますが、V1の制御により、特定の環境下ではV2に比べて効果が劣ることが考えられます。
ちなみに、WF-1000XM5を試した人コメントを読むと、ノイズキャンセリングはあまり強くないようです。
WF-1000XM4もBOSEのQuietComfort Earbuds IIなどと比較するとあまり効いていない用に感じましたが、WF-1000XM5でも同様な感じのようです。
ただ女性の声などの高音域では、しっかりと効くとのコメントもあったので、どのくらいのノイズキャンセリング性能になるのか気になるところです。
ドライバーユニット
出典:SONY(WF-1000XM5)
WF-1000XM5とWF-1000XM4のドライバーユニットの違いは、新たに採用された「ダイナミックドライバーX」による逆位相の音波生成能力にあります。
WF-1000XM5では、ソニー独自開発の新しい8.4mmのドライバーユニットである「ダイナミックドライバーX」が採用されています。
このドライバーユニットは、ドーム部とエッジ部に異なる素材を組み合わせた振動板構造を持ち、低音域から高音域まで高い音質再現を可能にしています。
さらに、逆位相の音波を正確に生成することで、ノイズキャンセリング性能が向上しています。逆位相の音波は、外部の騒音を相殺する効果を持ち、より効果的なノイズキャンセリングを実現するようです。
出典:SONY(WF-1000XM4)
一方、WF-1000XM4では、従来の6mmのドライバーユニットを使用しており、「ダイナミックドライバーX」のような逆位相の音波生成能力は持っていません。
従来のドライバーユニットでも高音質再生は可能ですが、逆位相の音波を生成することで得られるノイズキャンセリング性能は、WF-1000XM5には及ばないと考えられます。
したがって、WF-1000XM5の新しいドライバーユニット「ダイナミックドライバーX」による逆位相の音波生成能力により、ノイズキャンセリング性能が向上しています。
一方、WF-1000XM4の従来のドライバーユニットは高音質再生に優れているものの、逆位相の音波生成によるノイズキャンセリング性能は、XM5には及ばないことが分かります。
音の再現性とノイズキャンセリングの向上を求める場合は、WF-1000XM5の採用された「ダイナミックドライバーX」が魅力的な選択肢となるのではないでしょか。
デザイン
出典:SONY
WF-1000XM5とWF-1000XM4のデザインの違いは、風ノイズ低減構造の改良による高級感と風のノイズ低減能力の向上にあります。
WF-1000XM5は、風ノイズ低減構造を施すことで、デザインに改良を加えています。
特に、マイク部に微細孔加工を施した凹凸のないデザイン意匠を採用しており、これにより高級感を増しています。
同時に、風のノイズを低減する効果も得られます。風ノイズ低減構造は、風がマイクに当たった際に発生するノイズを軽減する技術であり、ノイズキャンセリング性能向上に寄与します。
一方、WF-1000XM4も風ノイズ低減構造を採用してはいるものの、XM5に比べるとデザインに特に改良が見られません。つまり、XM4では風ノイズ低減構造の効果を活かしつつも、デザインにおいてはXM5に劣る点があると言えます。
このように、WF-1000XM5は風ノイズ低減構造を改良したことで、高級感を増し、風のノイズ低減能力も向上しています。一方で、WF-1000XM4も風ノイズ低減構造を持つ優れた製品ですが、デザインの改良には至っていないため、XM5の方がデザイン面でのアップグレードが行われていると言えます。ユーザーにとっては、デザインの美しさと風ノイズ低減性能の向上を重視する場合、WF-1000XM5が魅力的な選択肢となるでしょう。
出典:SONY
さらにサイズ的にもよりコンパクト化されていて、前モデルのWF-1000XM4から比較して装着部の重量が5.9gまで軽量化され、イヤホン本体の体積も約25%小型化されています。
これにより、耳との干渉を軽減し、快適な装着性が実現されています。
出典:SONY
装着部の内側は、「エルゴノミック・サーフェス・デザイン」と呼ばれる曲線形状を採用しており、耳の内側にフィットするように設計されています。さらに、高さも抑えた形状設計により、耳から飛び出す部分が小さくなっています。
WF-1000XM4では、耳からの飛び出し具合が大きく、それを気にする人もいたでしょう。
またポリウレタンフォームが、耳の中での圧迫感がキツイと感じていた人もいたと思います。WF-1000XM5では、ポリウレタンフォーム素材の形状が変更されていて、装着時の圧迫感軽減が軽減されるようです。
全体的にWF-1000XM5は小型化と軽量化が実現され、装着性が向上し、耳へのフィット感と快適性が向上しています。
マルチポイント
出典:SONY
WF-1000XM4では、当初はマルチポイントに対応していませんでした。アップデートによりマルチポイントに対応しました。
もちろん、WF-1000XM5では、始めからマルチポイントに対応しています。
マルチポイント機能とは、2台の機器に同時接続できる仕組みです。これにより、例えばプライベートスマートフォンと会社のパソコンなど、複数のBluetoothデバイスにイヤホンを接続しておけば、Bluetooth接続の切り替え作業が不要になります。
通勤中はスマートフォンで音楽やコンテンツを楽しんで、出社後はパソコンを開けば、そのまま同じイヤホンでオンライン会議のイヤホンマイクとして通話が可能です。これにより、少し面倒なBluetooth接続の切り替え作業をせずに、簡単に機器を切り替えて使い分けることができます。
WF-1000XM5のマルチポイント機能は、OSを選ばずに2台の機器に同時接続できるため、AndroidスマートフォンやiPhoneなど異なるOSを持つ複数のデバイスともスムーズに接続できます。これは、より便利で柔軟な使えそうですよね。
バッテリー持続時間
出典:SONY
WF-1000XM5とWF-1000XM4のバッテリーに関する違いは、クイック充電の時間にあります。
WF-1000XM5とWF-1000XM4のバッテリーは、「ノイズキャンセリングONの場合は本体8時間バッテリーと、充電ケース2回充電で、最長24時間バッテリーが持続します。さらに、ノイズキャンセリングOFFの場合は本体のみで12時間、付属のケース2回充電で、最長36時間バッテリーが持続します。」と、基本的には、全く同じ内容が記載されています。
しかしWF-1000XM5では、「たった3分充電で60分再生可能のクイック充電にも対応」となっていて、WF-1000XM4では「5分充電で60分再生可能のクイック充電にも対応」と、少し違いがありました。
たった2分の差ですが、これが大したことがないのか、または大きな違いと感じるかは、使用する人次第だと思います。
個人的には、たった2分の差だし高頻度で恩恵に預かれるような機能ではないとは思いますが、3分の充電で60分再生可能という素早さは、できればあった方が助かる機能だと考えます。
重要視することではありませんが、あれば嬉しい機能ですよね。
さらに、WF-1000XM4のときと同様に、ケースをワイヤレス充電することが可能です。もちろんワイヤレス充電もそこまで重要視する機能ではありませんが、ちょっと便利になる機能としてあれば嬉しいと感じるはずです。
まとめ
ソニーの新しい完全ワイヤレスイヤホンのWF-1000XM5が発売されます。
WF-1000XM4の発売が2021年だったこともあり、当初はその音質などで高評価でしたが、時間の経過とともに優れた他社製品が登場して、少し埋もれ気味だったのではないでしょか。
最近ではWF-1000XM4を選ぶ理由として値段が安いということも要因だったと思いますが、近年の材料費の高騰などで値段が一時期より上がってしまったり、さらにバッテリーの不具合が多数報告されたりと問題も多くあったと感じています。
WF-1000XM5で、その不具合のあったZenipower製の内蔵バッテリーから変更されているのかは分かりませんが、全体的な性能のアップ、また小型化したデザインなどを考慮すると、非常に魅力的なBluetoothイヤホンになっています。
特に個人的には、音質は良いはずだと前置きしておき、その上に電車の中、飛行機の搭乗時、街の雑踏音を抑えられるようになったノイズキャンセリング機能に期待を膨らませたいです。
最強とまでは行かないまでも、ノイズキャンセリング性能が向上していれば、買う価値がありそうです。
ただ、41,800円という値段は、ちょっと高く感じてしまいます。
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アイキャッチ画像 出典:SONY